雨が降るまで (1)




誰かが言った。
俺の瞳が、青空のようだと。
誰の上にも変わりなく在り続ける、あの空のようだと。
そうだね。俺は誰に対しても平等に優しいから
なんて、笑って答えたっけ。

特別のない、平等――――。

でも今は
たった1人の為だけの空になりたいんだ。
当たり前のように存在する、アイツだけの空に――――。





外は雨
静か過ぎる部屋の中、唯一聞こえてくる雨の音に紛れて、消え入りそうに吐き出される溜息。
1人では持て余してしまいそうな、大きなベッドの上に横たわり、グーデリアンはまだ感触の残っている右手を宙に掲げて、じっと見つめた。
振り向かせようと思わず掴んだ肩
そうして目に飛び込んで来たのは、驚いたような、困ったような緑の瞳。
『――――放してくれ』
拒絶の言葉と共に、振り解こうと己の右手に当たったハイネルの指先はどこかひんやりと冷たくて、それが余計に、全てが現実なのだと思い知らされる。
「俺は明日からどーすりゃいいんだよ……」
ボヤくように呟いてみても。
『アイツはそんなことで逃げ出すような奴じゃねぇだろ』
そう言って背中を押してくれた加賀は、ここにはいないのだ。




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