不思議ハイネル (1)




「ただいま」
いつも帰りの遅いハイネル
「おかえり、今日も遅かったんだな」
ソファから立ち上がり、何となく疲れた様子のハイネルを出迎えてやる。
「着替えてきたら?ご飯食べよう」
「そうだな」
と言いつつリビングへと向かうハイネル。正確には、リビングの一角に置いてある《シルバニアファミリー 緑の丘のお家》へと向かっているのだが…。
「あ……ご飯くらいは……」
などと、ほんのり遠慮しがちに提案してみるが、ハイネルには届かなかったのか《シルバニア〜以下略》の隣にひっそりと置かれているビンを手にすると、 中から赤いキャンディーを取り出し口の中へと放り込んだ。

ポワワン

なんともアニメちっくな音が静かな部屋に鳴り渡ると、グーデリアンの目線が一気に下降する。
視線の先には《お家》にピッタリな、手のひらサイズへと姿を変えた小さなハイネルが訝しげにグーデリアンを見上げていた。
「どうしたんだ?」
「あ、いや。何でもないんだけど……」
「じゃあご飯!!!!」
小さくなっても、声と態度は相変わらずデカイ
―――ご飯くらいは通常サイズのハイネルと食べたかったなぁ
などという台詞も言えないままキッチンへと追いたてられたグーデリアンが、ちらりと物陰から様子を伺うと、既にハイネルは《お家》の中へと消えたあとだった。




END



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